Wednesday, June 18, 2008

シネマとグラフ

正確にはシネマトグラフなのだけど…。
先日、妻とMOMAのメンバーシップを更新してThe AICP Show at MoMA, 2008を観たあと、二人でなんとはなしにロックフェラーセンター前にある紀伊国屋書店へ向かった、が…紀伊国屋書店が閉店、いや引っ越していたのだ。さっそくiPhoneのGoogle Mapで調べたところ、移転先は6番街と41丁目との事。天気もよくそれほど遠くなかった事もあり、徒歩にて行ってみる事にした。

こぎれいな真新しい店内はカフェもあり落ち着いた雰囲気。移転前の混雑さはなかった。日本語書籍だけではなく、英語の日本関連の書籍も充実している。入り口を入ってすぐの陳列は好き嫌いの別れるところだろう。僕は好きではない。

前置きが長くなったが、なんと、この紀伊国屋書店ですっかり購入を諦めていた書籍を購入できたのだ。

ロベール・ブレッソンの「シネマトグラフ覚書」。記憶に間違いがなければ1997〜98年頃から絶版であった。当時、どうしても読みたかった僕は、大学の図書館勤務であった姉に簡易製本という方法で全ページをコピーをしてもらい、わざわざ日本から送ってもらったのだった。その後、英語版がアメリカで出版され、それも即購入。同じラテン語ルーツなだけにオリジナルのフランス語に近い語感になっているのでは、と勝手に思っていた。その後、フランスへ行く機会があり、カルチェラタンの書店にてフランス語版も購入(!)ただ、フランス語にうとい僕はいまだオリジナルでブレッソンの言葉を解釈できないでいる。

先日購入するまでまったく知らなかったのだが、「シネマトグラフ覚書」は2006年に「書物復権」という企画で上位に選ばれ、めでたく復刻したのだそうだ。

「シネマトグラフ」とう単語、ブレッソンが自ら求める映画のあり方を他の映画(シネマ)と区別するために用いているのだが、もう一人、シネマトグラフを提唱する人がいる。それが、ジャン・コクトー。

コクトーの「シネマトグラフをめぐる対話」は今も出版されているのだろうか?

ちなみに、復刻された
「シネマトグラフ覚書」はカバーをとると艶のある黒(絶版になったオリジナルも同様)シネマトグラフをめぐる対話」は布地の白。なので、僕はこの2冊をシネマトグラフの黒本/白本と勝手に呼んでいる。まるで、新しいiPhoneのようだ…。

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